書籍紹介 / エンジニアリングが好きな私たちのためのエンジニアリングマネジャー入門

「コードを書くのが好きなのに、マネジャーになったらもう技術に触れられなくなるの？」

そんな不安を抱えているエンジニアの皆さん、多いのではないでしょうか。私自身も以前はそう思っていました。でも、この本を読んで考えが変わったんです。

エンジニアの心を理解したマネジメント指南書

「エンジニアリングが好きな私たちのためのエンジニアリングマネジャー入門」は、まさにそのタイトル通り、技術愛溢れるエンジニアがマネジャーとして成長していくための実践的なガイドブックです。

著者自身がエンジニア出身ということもあり、「技術が好きだからこそマネジャーになっても技術から離れたくない」という気持ちを深く理解した内容になっています。これが他のマネジメント本との大きな違いですね。

単なる「人の管理」ではなく、技術的な判断力を活かしながらチームを導く方法が具体的に書かれています。アーキテクチャの決定から、技術的負債の管理まで、エンジニアリングマネジャーならではの視点が満載です。

特に印象的だったのは、「技術的な議論をリードしながら、同時にチームメンバーの成長も促す」という考え方。これまで個人プレイヤーとして活躍していたエンジニアにとって、目から鱗の内容でした。

エンジニアチームならではの特性を活かしたチームビルディングの方法が豊富に紹介されています。コードレビューの文化作りから、ペアプログラミングの効果的な活用法まで、技術的な活動を通じてチームの絆を深める手法は本当に参考になります。

また、リモートワークが当たり前になった今の時代に合わせた、オンラインでのコミュニケーション戦略についても詳しく解説されているのが嬉しいポイントです。

「マネジャー = 技術から離れる」という固定観念を打ち破ってくれる内容が充実しています。テックリード、アーキテクト、プロダクトマネジャーなど、技術的なバックグラウンドを活かせる様々なキャリアパスが紹介されており、自分に合った道筋を見つけるヒントがたくさん得られます。

この本の素晴らしいところは、理論だけでなく実際の現場での経験に基づいた具体的なアドバイスが豊富なこと。例えば、「技術的な議論が白熱しすぎた時の収束方法」や「チームメンバーのモチベーション低下を技術的な課題解決で改善する方法」など、すぐに現場で使える実践的なテクニックが満載です。

また、失敗談も包み隠さず紹介されているので、「こういう時はこんな風に対処すればいいのか」という学びが得られるのも魅力的ですね。

特に、「技術が好きだからマネジャーになりたくない」と思っている方には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。技術愛とマネジメントは決して相反するものではないということが、きっと理解できるはずです。

エンジニアリングマネジャーという役割は、単なる管理職ではありません。技術的な専門性を持ちながら、チームとプロダクトの成功に責任を持つ、とてもやりがいのあるポジションです。

この本は、そんなエンジニアリングマネジャーとして成功するための羅針盤のような存在。技術への情熱を失うことなく、チームを導いていく方法を学べる貴重な一冊だと思います。

エンジニアとしてのキャリアに迷いを感じている方、チームリーダーとしてステップアップを目指している方は、ぜひ手に取ってみてください。きっと新しい視点と具体的なアクションプランが見つかるはずです。