ゴリゴリの某外資系大企業の営業マネージャをしている知人から薦められた本です!

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概要
コンセプトとは何か
本書では、コンセプトを「未知の良さを形にし、世界をより良くすると同時に、自分自身も幸せに生きられる方法」と定義しています。これは、単なる商品やサービスの特徴を超えた、根本的な価値提案を意味します。
コンセプトの構成要素
コンセプトは以下の2つの要素で構成されます:
- ビジョン:「何をしたいか」という想い
- アイテム:「何を用いるか」という手段
これらを組み合わせて、20文字程度の日本語で表現することが推奨されています。例えば、Wiiのコンセプトは「お母さんに怒られないゲーム機」とされ、家庭内での受容性を重視した設計がなされています。
コンセプト作成のプロセス
本書では、コンセプトを生み出すための具体的なステップが紹介されています:
- ミッションの設定:「ゲーム人口の拡大」などの目的を明確にする
- 素直な愚痴の抽出:「ゲーム脳と言われるのが悲しい」などの本音を出す
- ズラしの質問:「ゲーム脳っぽくないゲームとは?」など、視点を変える
- アイデアのグルーピング:出てきたアイデアを整理し、方向性を見つける
このプロセスを通じて、既存の枠組みにとらわれない新しい価値を見出すことが可能になります。
感想と具体例
本書は、抽象的になりがちな「コンセプト」という概念を、具体的な事例とともに解説しており、非常に実践的です。特に、Wiiの開発エピソードを通じて、どのようにして「お母さんに怒られないゲーム機」というコンセプトが生まれたのかを知ることができ、納得感があります。
また、コンセプトを20文字程度の日本語で表現するという点は、チーム内での共有や外部への発信においても非常に有効です。例えば、ある読者は自身のプロジェクトにおいて、「都内の森林公園で煙のでない焚き火を囲むコミュニティ」というコンセプトを設定し、具体的な活動につなげています。
さらに、コンセプト作成のプロセスにおいて「ズラしの質問」を活用することで、固定観念から脱却し、新たな視点を得ることができます。例えば、「ミッションを逆に言うとどうなるか?」や「立場をずらしたらどうなるか?」といった問いかけは、思考の幅を広げるのに役立ちます。
まとめ
『コンセプトのつくりかた』は、商品開発やサービス設計に携わる人々にとって、非常に有益な指南書です。未知の価値を見出し、それを具体的な形にするための方法論が、実例とともに丁寧に解説されています。また、個人のキャリアや人生設計においても、自分自身のコンセプトを見つける手助けとなるでしょう。
本書を通じて、単なる「良いもの」を作るのではなく、「未知の良さ」を形にすることの重要性を再認識しました。これは、他者との差別化を図る上でも、非常に重要な視点であると感じます。
コンセプト作成に悩んでいる方や、新たな価値を創造したいと考えている方には、ぜひ一読をおすすめします。