2025年、ソフトウェア開発の現場に革命的な変化が訪れています。その中心にあるのが、Anthropic社が提供するAIコーディングエージェント「Claude Code」です。
今回ご紹介する『Claude CodeによるAI駆動開発入門』(技術評論社)は、この新しい開発ツールを基礎から実践まで体系的に学べる一冊です。
Claude Codeとは?
Claude Codeは、2025年5月末に一般リリースされたコマンドライン上で動作するAIコーディングエージェントです。GitHub CopilotやCursorといったエディタ統合型のAI支援ツールとは異なり、ターミナルから直接操作できる点が大きな特徴です。
このツールは登場するやいなや、従来とはまったく異なる開発体験でエンジニアに受け入れられ、AI駆動開発のデファクトスタンダードになりつつあります。
本書の対象読者
本書は以下のような方に向けて書かれています。
- AI駆動開発に興味があるが、実際に使ったことがない開発者
- Claude Codeで何ができるのかを知りたいエンジニア
- 社内システムなどをClaude Codeで作ってみたい非エンジニア
特筆すべきは「非エンジニア」も対象読者に含まれている点です。AI駆動開発がもはやエンジニアだけの領域ではなくなりつつあることを示しています。
本書の構成
第1章:Claude Code入門と開発環境構築
Claude Codeの基礎知識、料金体系、アカウント登録から環境構築まで、はじめてClaude Codeを触る方でも迷わないよう丁寧に解説されています。なぜClaude CodeがCLIとして生まれたのか、その背景についても触れられています。
第2章:AI駆動開発の基礎──5分でアプリケーションを作る
ここでは実際に手を動かしながら、Claude Codeの威力を体験します。TODOアプリの作成、デプロイ、UIのデバッグ、テストコード作成まで、短時間で一連の開発フローを体験できます。
本書の面白いところは、LLMの出力が確率的に揺れること(実行結果が人によって異なり得ること)を前提にしている点です。これにより、読者は真の意味での「AI駆動開発」を体験できます。
第3章:MCPを活用したAIチャットボット開発──30分で作る
MCP(Model Context Protocol)サーバーを活用しながら、本格的なAIチャットボットを開発します。この章の特徴は、単なる実装だけでなく、要件定義→計画→段階的実装という開発フローをClaude Codeと一緒に進める点です。
Context7、Playwright、SerenaといったおすすめのMCPサーバーの紹介も含まれています。
第4章:並行処理とサブエージェント──半日で社内システムを開発する
より大規模な開発に対応するための知識を学びます。コンテキストウィンドウの理解、タスク分割、並行処理、サブエージェントの活用法、カスタムスラッシュコマンドとHooksの使い方など、実務で役立つ内容が満載です。
第5章:セキュリティと応用的な活用
チーム開発での活用知識、セキュリティ設計の理解、そしてClaude Codeの今後の展望について解説されています。
本書の特徴と学びどころ
1. ハンズオン形式で「体験」できる
概念の説明だけでなく、実際にアプリを作りながら学べる構成になっています。「5分」「30分」「半日」と段階的にスケールアップしていく設計は、学習のモチベーションを維持しやすいでしょう。
2. 「運用」の視点で書かれている
あるAmazonレビューで印象的な評価がありました。Claude Codeを単なる「優秀な部下」ではなく「システムの一部」として扱う感覚、AIが暴走する前提でテストとLintをガードレールとして組み込む発想など、運用を見据えた設計思想が随所に見られます。
3. 失敗事例も紹介されている
著者の開発経験から、うまくいかなかった事例も含めて紹介されています。AI駆動開発においてもエラーは発生しますし、意図が伝わらないこともあります。そうした「リアル」な開発体験を共有してくれる点は、実践で活きる知恵になります。
4. 最新情報へのフォローアップ
2025年10月時点の情報であることを明記しつつ、書籍のサポートページでその後の更新(Opus 4.5の登場など)についても触れられています。変化の激しいAI分野において、この誠実な姿勢は信頼できます。
こんな方におすすめ
- これからClaude Codeを始めたい方: 環境構築から丁寧に解説されているので、迷うことなくスタートできます
- すでにClaude Codeを使っている方: 体系的に知識を整理し、見落としていたテクニックを発見できます
- CursorやCopilotユーザー: AI駆動開発の考え方は他ツールにも応用可能です
- チームへのAI導入を検討している方: セキュリティやチーム開発の章が参考になります
まとめ
『Claude CodeによるAI駆動開発入門』は、単にツールの使い方を解説した本ではありません。AIと人間が協働する新しい開発パラダイムへの入門書です。
著者の平川知秀氏は、Claude Code勉強会を主催するなど、AI駆動開発の普及に尽力されている方です。その実践に裏打ちされたノウハウが、本書には凝縮されています。
「これがないと開発できない」──多くのエンジニアがそう語るClaude Code。その世界に足を踏み入れる最初の一歩として、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
